「交響曲」は明治の文豪、森 鴎外の名訳です。
それでは「指揮者」はだれが訳したのか?
英語でConductorは列車の車掌のことで、列車の安全と快適な運行をつかさどります。
「指揮者」はドイツではDirigent、イタリアではDirettore。アメリカのDirectorと同一の語源です。方向を示す人、監督、管理者を指します。会社や役所などの取締役、理事、局長です。日本の指揮者とニュアンスは近いようですが、マネージする人というニュアンスが強いですね。
フランス語で指揮者はChef d'orchestre、シェフChefは料理長です。
オーケストラと料理は確かに似ています。シェフの腕次第で、同じ素材からまったく違う味のハーモニーが生まれます。材料や、料理人の選定もシェフの仕事です。
さすがフランス、粋ですね。
「指」は指し示す、「揮」は振り回すことですので、「指揮者」は突撃とばかり腕を振り回して戦場に赴く兵士を束ねる指揮官のイメージがあります。Commander(英)、Kommandant(独)Commandant(仏)、Comandante(伊)の方がピタリときます。
指揮棒は刀剣を持っているようなもの、戦闘の道具です。命令するという権力、権限を強く感じます。
そこで「指揮者」は誰が訳したのか今の所不明ですが、もっと良い呼び名があるのではと思い長年考えているのですが、まず、思いついたのが「音頭とり」です。
日本のお囃子や、雅楽にはリーダー、音頭を取る人が決まっています。皆の先頭に立って歌や合奏を先導する役目です。
銀行のトップは頭取と言いますね。これは音頭とりから来ているという説があります。
指揮者を頭取に変える?
しかし、なんだかもっと偉そうですね。
指揮者に変わる妙案を思いついたら、是非教えてください。
1 Nov.2017
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